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動物実験の廃止をめざして…動物保護団体JAVA(ジャバ)の亀倉弘美さんのコラム vol.4

 

Alternative is Not Just Alternative

動物実験に代わる試験法

人道的な科学の発展をめざして

 




動物保護団体JAVA(ジャバ)の亀倉弘美です。
今回のコラムでは、動物実験に代わる試験法とその動向についてお話ししたいと思います。

化粧品開発における動物実験とは、化粧品が目に入ったとき、誤って飲み込んでしまったとき、化粧品を塗った皮膚が紫外線に当たったときなど、主にその安全性を確認するために行われてきたものです。
これは化粧品に限った話ではありません。


新たな化学物質を市場に出そうとしたり、すでにある化学物質を別の分野で利用しようとする場合などには、人や環境にどう影響するかを調べなければならず、日用品、医薬品、食品添加物、文房具といった私たちの暮らしに身近なものから、産業に使われるものまで、ありとあらゆる化学物質の「毒性試験」に、これまでおびただしい数の動物たちが実験台として供されてきました。


安全かどうかわからないものを、人間で試すわけにはいかない、だから動物を使うのだ――このフレーズが金科玉条のごとく振りかざされ、長い間動物たちを苦しめてきました。


でも消費者からの強い反対を受けて化粧品に対する動物実験ができなくなった。とはいえ安全性は確認しなければならない――そこで誕生したのが「動物実験代替法(だいたいほう)(以下「代替法」と呼びます。」という研究分野です。

 

動物実験代替法



反対運動の盛り上がりと並行して、欧米の大手化粧品メーカーが代替法の技術開発をリードし、ヒトの皮膚の培養細胞をつかった人工皮膚モデルや、コンピュータシミュレーションなど、その時代の最先端の技術を駆使したさまざまな方法がこれまで数多く開発されてきました。


ちなみに、生きた動物を使って行う動物実験が、ラテン語で「生体内で」という場所を示す”in vivo(インビボ)”と呼ばれるのに対して、代替法は、”in vitro(インビトロ:試験管内で)”、”in silico(インシリコ:コンピュータ(シリコンチップ)内で)”と呼ばれています。



さて、これまで唯一かつ最良の方法とされてきた動物実験ですが、本来なら虐待に当たる行為を生きた動物に対して行っているという倫理的な問題を抱えていることに加えて、実験動物を飼育する手間やスペースなどコストがかかるという経済的な問題、そしてそもそも動物と人間のあいだに存在する「種差」を越えられないという科学的な問題があります。

たとえばマウスと人間は身体の構造や器官、組織の造りが異なるように、化学物質の毒性に対する反応もマウスと人間とでは異なります。

このように、動物実験には、データをそのまま人間に当てはめられないという問題が常についてまわってきました。


こういった動物実験の数々の問題を、代替法が解決できる可能性がでてきました。
まず、動物を使わないまたは使用する動物の頭数を減らすことができるということに加えて、動物の飼育にまつわる手間やスペースなどの大幅なコストカットにつながるほか、試験に必要な化学物質と有毒廃棄物を少量に抑えることができれば研究者の労働衛生の向上にも寄与する。
そして、そもそも動物実験は“人体実験の代替法”であったわけですが、ヒトの細胞を使って直接ヒトへの影響を調べることができれば、動物のデータを人間にあてはめられないという種差の問題をクリアすることができる。


もはや、従属的な意味合いをもつ「代替」という言葉がそぐわないほど大きな可能性を秘めている代替法ですが、もともとの寄って立つべき動物実験が不確実であることから、むしろ「代替法」との呼び名は不適切だとみる向きも強くなってきています。


そして、化粧品の動物実験反対運動から始まった代替法、適用されるのは化粧品だけにとどまりません。
化学物質の毒性試験方法をガイドラインで規定する経済協力開発機構(OECD)をはじめ、医薬品についてはICH、医療機器についてはISO、動物用医薬品についてはVICHといったそうそうたる国際機関でも、これまでいくつもの代替法が動物実験に取り替わってきました(※1)。
これからも代替法が採用される分野はさらに広がっていくものとみられています。



この夢のような代替法ですが、ヨーロッパをはじめ世界中で多くの予算と人材が投入されて研究開発が急ピッチで進められているものの、残念ながら現段階ではすべての動物実験が代替されるまでに至っていません。
でも、そのような状況下で、2013年、EUは化粧品の動物実験の全面的な禁止に踏み切りました。
まだ代替法は確立していないけれど、もう動物実験はやめよう。
このEUの決定には、これまで物事の判断基準だった経済合理性を倫理が超越したとみることもできると思います。


動物実験代替法

©️ONE VOICE



動物実験はかわいそう。
そう言ったところで、現実的にすぐに動物実験がなくなるわけではありません。


でも、かわいそうだと言い続けた消費者のニーズが、動物を使わない研究という新たなイノベーションを生み出しました。
「動物実験は必要悪だ」と言って諦めてしまっていたら何も変わらなかったでしょう。


前回のコラムで、EUでは化粧品以外の実験についても「究極の目的は動物実験を廃止すること」という合意のもと、そのゴールに向かっていると書きました。

動物実験は倫理的に間違っているという認識がコミュニティで共有されている証です。
動物実験という呪縛からの解放は、今後、科学のあるべき発展を促していくはずです。


21世紀の科学研究を発展させていくのは、動物をはじめとした他者への慈しみや思いやりという人間性なのかもしれません。



最後に、1959年「人道的実験技術の原則」を表し、動物実験を行う場合の3R(※2)を広めたラッセルとバーチが残した言葉をご紹介して今回は終わりにします。



もし、我々が行うべき実験を選択する基準を持とうとするならば、多分、人間性という基準が我々が作成することのできる最良のものである。科学における最も偉大な業績は常に最も人道的であり、かつ最も美的に引きつけるものであり、最も成功した時には科学の枢要である美しさと優雅さを感じさせるものである。




日本でも、代替法を研究する学会が活動しています。
日本動物実験代替法学会
http://www.asas.or.jp/jsaae/
日本動物実験代替法学会第29回大会 11月16~18日
http://jsaae29.umin.jp/

代替法に関するアジア地域の国際会議が佐賀県で開かれます。
Asian Congress on Alternatives and Animal Use in the Life Science Nov. 15-18, 2016
http://jsaae29.umin.jp/ac2016/

来年、代替法に関する第10回目の国際会議が米国・シアトルで開かれます。
10th World Congress Alternatives and Animal Use in the Life Sciences Aug. 20-24, 2017
http://wc10seattle.org/2017/home.aspx

※1 OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)、ICH(International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use:日米EU医薬品規制調和国際会議)、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)、VICH(International Cooperation on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Veterinary Medicinal Products:動物用医薬品の承認審査資料の調和に関する国際協力会議)

※2  3Rs(スリー・アール)とは、①Refinement: 動物の苦痛の軽減、②Reduction:動物使用数の削減、③Replacement:動物を使用しない方法への置き換えの頭文字をとったもの。1959年にラッセルとバーチが提唱し、1999年の第3回国際代替法会議でボロニア宣言として採択された、動物実験を行う上での基本原則である。この原則は近年の実験動物福祉に関係する各国の法律や指針だけでなく、国際標準や国際指針に採用されている。


 

亀倉弘美(かめくらひろみ)

特定非営利活動法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)理事。

化粧品の動物実験反対キャンペーンを担当。4歳と0歳の子育てのかたわら、ボランティアで活動に従事する。

http://java-animal.org

 


 

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