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Schönen Tag! 〜ドイツ暮らしエトセトラ〜 Vol.18【ドイツで広がるサステナブルなクリスマスの楽しみかたって?】



こんにちは。
ドイツ在住オーガニックライターのこうぎももこです。
煌びやかなイルミネーションが街を彩る季節。
今回はクリスマスに関わるサステナブルなトレンドをお届けしたいと思います。




撮影:神木桃子

 

ドイツのクリスマスに欠かせないもみの木

ドイツ人にとって1年で最も大切な行事と言われるクリスマス。
アドヴェントと呼ばれる4週間の準備期間があったり、
12月25日と26日の2日間が祝日だったり。
日本では聞いたこともなかった文化や慣習に最初は驚くばかりでした。
なかでも「さすが本場!」と思わされたのが、
クリスマスツリーとして本物のもみの木を飾るひとが多いということ。
ドイツ国内で販売されるもみの木は、なんと年間で約3,000万本!
この時期はいたるところでもみの木が売られていて、
みんな真剣な表情で今年の1本を選んでいきます。





撮影:神木桃子
公園の脇にある特設のもみの木販売所。右にある機械でもみの木にネットを掛けて持ちかえりやすくしてくれます 



写真の販売所では、1メートル未満から2メートル超までサイズによって20〜40ユーロ(約2,500〜5,000円)ほど。
ホームセンターなどではもっと安いものもあり、お店によってピンキリです。

 

 



撮影:神木桃子


そして、家に持ち帰ったもみの木は12月24日の午後に飾りつけし、
東方三賢人の日と呼ばれる1月6日に片づけるのが伝統的なスケジュールです。
(もちろん、もっと早くから飾っちゃうひともいますけど)




クリスマスが終わればもみの木は廃棄へ


ここで役目が終わったもみの木はどうなるのでしょう?
通常、もみの木は根元を切り取った状態で販売されるため、
長期間はもたず、そのほとんどが生ごみとして廃棄されるのです。






撮影:神木桃子
街中に飾られたもみの木の多くは幹を切ってスタンドに取りつけてあります 



自治体ごとにもみの木を回収する日が決められており、
当日はそこかしこにもみの木が積み重ねられて山のようになっています。
もちろん、回収後はバイオマス発電の燃料や、堆肥として再利用されるので、燃やして終わりではありません。
しかし、もみの木が飾れるサイズに成長するために必要な年数は、おおよそ5〜10年。
たとえ資源として再利用されるとしても、たった数週間のために何千万本もの木が伐採され、廃棄されていることに変わりはありません。
それを考えると買う気にはなれなくて、
わが家ではずっとツリーなしでクリスマスを過ごしていました。


 

もみの木は買うから借りるへ


そんななかで知ったのが、もみの木のレンタルサービスです。
もみの木を鉢植えで貸し出し、返却された後に再び土に戻し、次のシーズンに向けて木を休ませるという仕組み。
これであれば、もみの木は長く生きながらえることができるのです。
実は本物のもみの木を飾ることに憧れがあったので、
「これはいい!」とすぐに飛びつきました。



お願いしたのは「Weihnachtsbaumfreunde(クリスマスツリーフレンズという意味)」という育樹業者。
・化学的な薬剤を使用しない
・水やりには井戸水&太陽光エネルギーを使用
と栽培方法にもこだわったもみの木を、
ドイツ全土を対象にオンラインで販売&レンタルしています。

本筋からは逸れますが、安価なもみの木は農薬を使用して栽培されていることが多く、残留農薬が問題になることもしばしば。
ビオスーパーでは、この時期、オーガニック認証を取得しているもみの木の鉢植えや切り落としの枝を販売するところもあります。


 



Weihnachtsbaumfreundeのウェブサイト 


さて、サイトを見てみると、1メートル前半のもみの木は残念ながら在庫なし。
1.5〜1.75メートルのサイズで、鉢植えごと購入する場合は54.99ユーロ(約7,000円)、レンタルでは79.99ユーロ(約1万円)とのこと。
植え替える庭もなし、常にお手入れする甲斐性もなしのわたしはレンタルを注文しました。
そして数日後、宅配業者が届けてくれたのは自分の背丈よりも高い段ボール箱。
中にはネットに巻かれたもみの木とプランターが入っていました。
(だいぶカオスな写真ですみません!)






撮影:神木桃子

2日ほど玄関先で慣らしてから部屋のなかに運び入れると、
針葉樹の爽やかな緑の香りがふんわりと部屋に充満しました。
本物のもみの木の醍醐味ってここにあるのでしょうね。






撮影:神木桃子


1月下旬の返却まで、今年はこのもみの木と一緒に年越し。
「来年も元気に育ってね〜」と思いを込めながら水やりにいそしんでいます。
注文時は割高に感じていましたが、香りに癒され、
子どもにとって良い学びにもなっているので、結果的に頼んでよかったです。

こうして伝統を大事にしつつも、サステナブルな方法を模索するのはさすがドイツですよね。
これ以外にも、ゼロウエイストの段ボール製クリスマスツリーが登場したり、
日本の風呂敷がごみの出ないラッピングとして注目されていたり。
まだまだニッチではありますが、少しずつドイツのクリスマスを変えつつあります。
みなさんのクリスマスの過ごしかたはどうですか?





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神木桃子(こうぎももこ)
日本にてオーガニック、食品関連の企業にて勤務後、2014年秋よりドイツ在住。
2児の子育てをしながら、フリーライターとしてオーガニック&サステナブルをテーマにコラムや記事を執筆中。家族でロゴナの歯みがき粉を愛用しています!

 @momococojp

 

 

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