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ファファラ精油物語 

鷺島広子 
第十一回


 

〇クローブ(学名:Syzygium aromaticum 科名:フトモモ科 抽出部位:蕾)
ファファラ アロマケアカテゴリ―;集中力


 スパイスとしてもハーブとしても他に類を見ない独特の性質を持つクローブ。東洋では丁子と呼ばれその名の通り釘のような形をしています。特徴成分として麻酔作用を持つオイゲノールを高濃度に含むため、香りを嗅ぐと「歯医者さんのにおい」という方も多いですね。

クリスマス時期の飾りにも用いられるポマンダーはこのクローブをオレンジやリンゴにさしたもので、寒い時期のヨーロッパでは呼吸器系のケアや感染症予防のために作られてきました。また、日本のお正月の風習でもあるお屠蘇にもクローブ(丁子)は使用され、こちらも風邪の流行る冬に免疫力を上げ、胃腸の調子を整える目的でも使われています。

 スパイスの中でも特徴的な香りを持つクローブですが、特筆すべき点は、花のつぼみであること。

多くのスパイスが植物の実や根が用いられるのに対して、スパイスとして分類されているものの中で花開く前のつぼみが用いられているのは知る限りでは、クローブだけではないかと思います。

以前、薬用植物が植えられているハウスの中で、クローブの花が開いているのを見たことがあります。

「あぁ、フトモモ科の花だな」と感じました。

アロマテラピーで使われる植物にはユーカリ、ティートリー、マートルなどフトモモ科の植物はいくつかあります。また庭木や果樹としても人気があるフェイジョアもフトモモ科。これらの花には共通して、ぱーっと開いた花びらが見えなくなる位の多数のおしべがふんわりと茂る様に咲きます。この可憐で華やかな花の開く直前の状態で収穫されるのがスパイスとして用いられるクローブであることを考えると、実や種とはまた異なる収縮のエネルギーが詰まっていることを改めて感じます。

虫除け、痛み止め、抗菌・抗ウィルスなどに対して突出した作用をもつクローブですが、つぼみ(花)であること、を改めて意識すると、この香りを嗅いだ時に感じる華やかさと力強さ、花ならではの繊細さを感じることが出来る気がします。

クローブの抗精神性という性質もまた、このつぼみ(花)であることを意識させてくれます。落ち込んだ精神を上向きにしてくれたり、ここぞいう時の集中力の助けにもなってくれる作用があります。

とはいえ、百里離れていても香ることから「百里香」の異名を持つクローブ、精油は特に使用する量に注意が必要です。ブレンドを考えるときには、香りと作用の両面から、他の精油の1/5〜1/10以下の量で考えるとよいかと思います。

消化器系に対して、健胃、駆風、制吐などの作用を持っているクローブは料理でもその目的で使われます。スパイスのブレンドでも他のものよりも少なめに配合されるのと同様、精油のブレンドでも、消化器系のトラブルにオレンジスイート、カモミールジャーマン、クローブを5:2:1位の割合、もしくはクローブをさらに少なくしても充分に作用が得られるでしょう。

 精神的に弱って落ち込んでいる時、自分を奮い立たせる必要があるときにもクローブは役立ってくれます。そんな時は、ベルガモット・ローズ・フランキンセンスなど抗精神性を持つ香りのブレンドにほんのちょっとのクローブをまさにスパイスの様に加えると前に進む活力が湧いてくるかと思います。

特徴成分のオイゲノールによる鎮痛・鎮痙作用ももちろんありますが、成分にはβ-カリオフィレンを含むため、抗炎症・抗酸化作用も期待できます。鬱滞感のある体の痛みには、ヘリクリサムや高山マツなどのブレンドに、クローブをごく少量加えるのもよいでしょう。寒い季節の筋肉のこわばり(肩こりやぎっくり腰など)にもおすすめです。

多くのスパイス系の香りと同様、クローブもまた媚薬的な作用を持っています。女性ホルモンの乱れによる不調(例えばPMS、更年期のイライラなど)にはイランイラン・ゼラニウム・パチュリにクローブを少量のブレンドを自分の為の大切な時間に使ってみてはいかがでしょうか?

 寒い季節の暮らしに古今東西役立ってきたクローブ、精油のブレンドにもスパイス的に利用してみると、様々なシーンで役立ちそうですね。1年で一番寒い時期を迎えます。どうぞ健やかにお過ごしください。


以上




 




クローブBIO・CG


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鷺島広子(さぎしまひろこ)

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰
葉っぱのうらがわ 代表
アロマ&ハーブセラピスト。

12年間会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。
サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。2019年11月よりファファラのカテゴリー別講座を担当。


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