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ファファラ精油物語 

鷺島広子 
第十九回


 

〇ゼラニウム・ブルボン(学名:Pelargonium x asperum 科名:フウロソウ科 抽出部位:全草)
ファファラ アロマケアカテゴリ―;ジョイ

 ゼラニウムは、精油の中でも最もメジャーなものの一つかと思いますが、園芸用の品種と間違えて、「あぁ、あの赤い花の…」と言われることもしばしばあります。また、香りの華やかさから花の香りと思われることも多い様ですが実際には葉っぱの香りです。それはゼラニウムの特徴成分ゲラニオールがバラと共通であることも(赤い)花の香りと思われる原因かもしれません。アロマテラピーで使われるゼラニウムの花は、葉に比べて小さいものが多いのですが、よく見ると小さなおしべがくるん、となっていてとても精巧な作りをしています。

 葉に香りを持つゼラニウムの種類も実は多様で、ペパーミントゼラニウム、ヘーゼルナッツゼラニウム、など様々です。その中でも、今回取り上げるゼラニウム・ブルボンは、 “ローズゼラニウム”などの異名を持つ、特にアロマテラピーの分野でよく使用される種類となります。

ゼラニウムの香りの作用の特徴を一言で表すなら「バランス」。自律神経のバランス、ホルモンバランス、お肌に用いた際は皮脂の分泌バランス…と心身における心身のバランスをとっていく作用が共通しています。これは植物療法ならではの働き方で、生体への作用が単一のベクトルなことが多い西洋薬に比べて、その作用が多岐にわたり多方向へのベクトルを持っています。

 それは必ずしも万人に同様に作用しない、ということも意味しています。ある人には、エストロゲン(女性ホルモンの一つ)の分泌を促す方向に働くかと思えば、そうならない人もいたり、タイミングや状況によっては反対の方向に働いたり、同じ人でも生理周期によっても影響が変わってきたりします。

これがアロマテラピーの面白いところでもあり難しいところでもありますが、香りの持つ作用によって「ちょうどいいところ」に落とし込んでくれるというのは、なんとも興味深いことと思います。ゼラニウムは数ある精油の中でも嗅覚に働きかけることでこの「バランス」をとっていく作用を発揮する、代表的なものといってよいかと思います。

それは時に個人の香りの好みにも影響します。例えば女性の生理周期によってゼラニウムは好き嫌いが真逆になったりもします。月経前にとても良い香りに感じた香りが、月経後にそうでもなくなったということもよくあります。そしてその感覚を大切にすることも、アロマテラピーではとても大事なことと捉えています。

そんなバランスをとる作用が高いゼラニウムは、比較的どんな精油ともブレンドしやすく、それぞれの相乗効果も期待できます。

例えば、先月ご紹介したシダーウッドと合わせてゼラニウム、グレープフルーツのブレンドは、芳香浴はもちろん、バスソルトや、オイルで希釈して疲れた筋肉のマッサージにもよいでしょう。また、ハーブ系でのブレンド、レモングラス・ゼラニウム・ペパーミントなどは疲れて免疫力のサポートが欲しい、という時に心強く味方になってくれると思います。さらにストレスでイライラする!という時には、ラベンダー・ゼラニウム・オレンジスイートのブレンドもおススメです。今の季節、夏の暑さや湿度によるむくみや疲労感には、サイプレス・ゼラニウム・レモンなどもよいでしょう。

 このようにゼラニウムは、ブレンドの中で中心に位置しながらそれぞれのバランスをとって相乗効果をもたらしてくれる、とても使いやすい香りです。

ゼラニウムはハーブとしても育てやすく繁殖力の強い植物です。私ももう20年以上前にアロマテラピーを学んでいた先生からいただいたゼラニウムを、たくさんの方たちにお分けしてきました。「植物枯らしちゃうんですよね〜」という方も、ゼラニウムなら大丈夫なほど、強く、たくましく育ってくれます。

このたくましさと繊細な花を合わせ持つ植物の姿こそがゼラニウムの香りとしての性質をも現わしているのかも、と思います。

残暑厳しい今年ですが、植物の力を借りて私たちも強くたくましく、そして繊細に生きていきたいものです。

 次回は、ホーウッド・リナロール(ケモタイプ)の予定です。お楽しみに。



 




ゼラニウム・ブルボンBIO


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鷺島広子(さぎしまひろこ)

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰
葉っぱのうらがわ 代表
アロマ&ハーブセラピスト。

12年間会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。
サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。2019年11月よりファファラのカテゴリー別講座を担当。


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