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ファファラ精油物語 
鷺島広子
第48回 「バニラ」
 


 

〇バニラエキス(学名:Vanilla planifolia 科名:ラン科 抽出部位:サヤ)
ファファラ アロマケアカテゴリー:つつまれて



バニラの香りは、お菓子作りなどで使うバニラエッセンスのおかげか、多くの人が子供の頃から知っている、とっても親しみがある香りです。この甘い香りが、植物の鞘から採られるスパイスの一種だということは、私も大人になってから知りました。

天然のバニラの香りは、合成されたバニラエッセンスの香りよりも数段複雑で、バニリン(バニラの特徴成分)の他に、バルサミックな香りやスパイシーな香りもします。香りとしての印象は、いわゆるバニラエッセンスはずどんとバニリンの香りが中心に入ってきて動きがない感じに比べると、軽く、身体にふわりと入ってくる感じがします。ただの甘い香り、だけでなく奥行きとスパイシーさを感じる大人の側面も持っています。

バニラは中米原産のツル性の植物で、小さな花から結実してできる鞘を収穫した段階では芳香はなく、独特の熟成・発酵の工程を経て初めてこの香(かぐわ)しい成分が生まれます。アステカ族の人々はこの抽出方法を独自に生み出していました。スペインの征服者たちがカカオ豆とバニラを本国へ持ち帰ったことからその後マダガスカルやレ・ユニオン島での栽培が始まります。名前のVanillaは、もともとはスペイン語の鞘(vania)に由来します。

お菓子には欠かせない食材としても世界中で愛されてきているバニラですが、その生産工程を確立するまでの多くの人たちの苦労の歴史が詰まっています。その歴史を紐解いていくと、この芳香成分を採るための人たちの執念の様なものを感じます。

そこまでこの香りに魅了されるのは、やはりそこに心身に及ぼす作用があるからです。甘い香りが心を魅了するだけでなく、消化促進、強壮作用、抗精神作用に優れます。また、スキンケアの観点からも、抗炎症作用、保湿作用から肌や髪をしなやかに整える効果が期待できます。ボディケアやヘアケア商品にバニラの香りが使用されているものが多くあるのもうなずけます。

疲れた日の夜に、バニラエキス、ラベンダー、スイートオレンジのブレンドはいかがでしょうか?程よいリラックス感と安心感が深い眠りへと誘います。甘い香りがあまり得意でないという方は、バルサムモミやフランキンセンスなどとブレンドすると、高貴さと甘さを含んだ温かな香りに仕上がります。マジョラムを合わせると、少し男性的で色っぽい香りになります。どちらも、ボディクリームにはもちろん、バスソルトなどにもおすすめです。

また、スパイスでもあるバニラはクローブやシナモン、カルダモンなどとも相性は抜群です。バニラエキス、カルダモン、ブラッドオレンジのブレンドは、不安な気持ちを和らげて、元気づける作用も期待できます。リラックス空間での演出として芳香浴で用いてもよいでしょう。

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2022年3月から始まったこのコラムも丸4年48回を迎えることができました。
みなさまからいただくお声がとても励みになっています。

私は、香りを嗅いだ時、なんとなく身体の中に起きる“風のようなもの“を感じてそれを味わうのが好きです。その”風のようなもの“が起きる感じから、植物が採られた場所・土地のメッセージ、身体のどこに働きかけるかを感じとるのが楽しみです。

人によってそれぞれの香りの感じ方、味わい方があると思います。香りが私たちの心身に働きかける力の大きさを感じること、それ自体が実は、自分自身と向き合うことにも繋がっていると思います。

このコラムはこれからまだまだ続きますので、心地よいタイミングでお付き合いの程よろしくお願いいたします。

香りを感じる楽しさを一緒に味わいましょう。
ありがとうございます。

以上








  
ファファラ バニラエキスBIO       



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鷺島広子(さぎしまひろこ)
ハーバリスト・アロマセラピスト
ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰
葉っぱのうらがわ 代表

12年間の会社員として大手メーカーにてシステムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンH【a∫】(アッシュ)を開設。いにしえからの植物と人との関わりが手仕事、モノづくりや商品として繋がっていく場づくりとして2013年“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。
アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ暮らしに役立てるフィールドワークを行う。植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施。書籍「ケルトの植物」読書会を2015年より実施し開催回数100回を超える。植物の恵みを活かす商品コーディネートやイベント企画を行い、東京都国分寺市のカフェスロー内にある「暮らしを耕すマーケット」では、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。


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