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ファファラ精油物語 

鷺島広子 
第二十五回


 

〇ベルガモット(学名:Citrus aurant. Bergamia 科名:ミカン科 抽出部位:果皮)
ファファラ アロマケアカテゴリ―;リラックス

ベルガモットは一般的には紅茶のアールグレイの香りづけの、というと多くの方がピンとくるようです。ただ、中には柑橘の木の果実だということに驚く方もいらっしゃいます。
日本では食用の甘い柑橘類が豊富なこともその理由かもしれませんが、実際にベルガモット果実は苦味が強いものが多く、原産国のイタリアをはじめとするヨーロッパでも古くから香水や香りづけとして使われてきた歴史があります。

成分的には、一般的な柑橘類に含まれるリモネンやリナロールなども含みつつ、ラベンダーなどが持つリラクゼーションを促す成分でもあるエステル類(酢酸リナリル)や、ネロリ(ビターオレンジの花)が持っているネラールなど、「花」がもつ甘さや華やかさを持っているというのも特徴的です。

レモン、オレンジ、グレープフルーツなどアロマテラピーで用いる柑橘系は多くありますが、ベルガモットは特別な気がするのは、このような柑橘だけにとどまらない成分組成に寄るのかもしれません。

ベルガモットの香りをブレンドに用いると、どんなタイプの香りとも柔らかく溶け込むようにマッチして、それでいて特有の透明感を持った香りに仕上がります。

例えば木の精油、ピネン類を持つ針葉樹と合わせると、華やかながら落ち着いた深みのある香りになります。このブレンドは、心の鬱滞感、また実際の身体の鬱滞感(消化不良やリンパ液の滞り)などに用いることができます。

またユーカリやティートリーなどのフトモモ科の精油と合わせると、洗練された香水のような香りになります。特にティートリーのような独特のクセのある香りが、ベルガモットと合わさると、不思議とスッとまとまる感じがします。この組み合わせは作用的には潰瘍などの皮膚のトラブルにも有効です。

もちろん花精油との相性も抜群、バラやネロリ、ジャスミンなどの高級感のある香りとのブレンドはそれら価値をさらに引き上げていくような香りに、またハーブ系とのブレンドは単体よりバランスが取れた柔らかさを引き出す様なブレンドになります。

さまざまな香りとの相性抜群なベルガモットは、一緒になるものに「光をあてる」役割を持っている様に感じます。単体の香りをベルガモットが光のように照らし、よりその性質が際立ち、輝きを増す気がするのです。
ベルガモットの香りが持つ抗うつ作用、抗精神性はよく知られていますが、こちらもまた、落ち込んだ心やふさぎ込んで下を向いた状態にまさに「光をあてる」様に感じます。強すぎず柔らかな陽だまりのようなやさしい光が、留まらず前を向いていくように導いてくれるのかもしれません。

学生時代、家庭教師のアルバイトに行く前に、必ずカフェに寄ってアイスアールグレイティを飲んでいた時期があります。今思い返すと、その時のアールグレイの香りでリフレッシュして気持ちを前向きに、切り替えていたのかもしれません。

ベルガモットの香りは、ブレンドによる香りのまとまりや相乗効果だけでなく、合わせる精油の皮膚や身体への作用をより高める相乗効果も期待できます。創傷治癒、また呼吸器系や泌尿器系のトラブルなどにも有効なので、そのような働きのある精油と合わせることもおススメです。

ベルガモット精油はフロクマリン類を含有することが知られているので、スキンケアで用いる際には光毒性に注意する必要があります。ただ、ファファラのフロクマリンフリーのベルガモットは、ベルガモットが持つ良い意味での“際立った“感じを損なうことなく、少し柔らかさを持ちながらも丸くなりすぎない、絶妙な香りだなと感じます。スキンケアや手作りコスメに有効に活用するとよいでしょう。

どんな精油とも相性よく相乗効果を発揮してくれるベルガモット精油をうまく取り入れて気温やお天気の変化が大きい季節の心身のケアをしていけるとよいですね。

次回よりしばらくユーカリ三連荘、どうぞお楽しみに!
 


 


ベルガモットBIO


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アッシュ 鷺島広子(さぎしまひろこ)

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰
葉っぱのうらがわ 代表

アロマ&ハーブセラピスト。12年間の会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。
サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。



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